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おはようございます。Tです。

高校の運動部は,この時期がインターハイの県予選の時期と位置付けられており,都道府県によっては,この時期に平日にも固めて県内での試合が行われるようです。私が住む県は今日明日がその時期に当たり,恐らく電車は朝から混雑するので,早めに投稿して出発することになります。

さて,昨日まで広島大学前期をやっていましたが,理学部数学科に限り,後期にも数学の試験があります。今日からはその全5問をお送りします。第1問は,見た目数列?確率?な問題です。

広島大学2023年後期(理学部数学科)第1問_b0418931_03032897.jpg

漸化式があって,「等式を示せ」とくれば,数学的帰納法が最適です。文字が多くて混乱しそうですが,そこを冷静に通り抜けられれば,(1)は悩むことはなさそう。
(2)・(3)は,(1)で示した等式の意味を正しくつかんでいないと方針が立ちません。このYn,コインをn回投げ,その表・裏によって,2の(n-1)乗から1までを足すか足さないかを決めて作られる和なので,和が1となるのは1だけを足した場合,和が2の(n-1)乗になるのは2の(n-1)乗そのものだけを足したとき,となります。

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それでも,(2)と(3)の結果が全く同じ,というのには若干不安を抱くかもしれません。((2)があまりにシンプルで,それに続いての(3)なので,もっと複雑なはずだ,何かあるはずだ,という先入観をもってしまう)しかし,“参考”で書いたように,実はコイン投げの結果から作られる2進数を考えているので,たとえばYn=5となる確率も1/2^nで,(2)と(3)の結果が同じになるのは実は当たり前です。つまり,この問題は,確率の問題であり数列の問題であり,本質は整数の問題だったというわけですね。

# by mathmathmass373 | 2023-06-01 06:55 | 大学入試数学 | Trackback | Comments(0)

こんにちは。Tです。

いよいよ5月も最終日。そして広島大前期も最終日です。
最後の文系ラスト1問は,数Ⅱ範囲の微分と積分の問題です。

広島大学2023年前期文系第4問_b0418931_02041849.jpg

C1のある接線の傾きが分かっていることから,aの値は簡単に求められます。なので,本番は(2)からです。
一般に,2曲線がx=dである点で接するとき,「x=dである点でのy座標が一致」「x=dである点での接線の傾き(つまりy'の値)が一致」とやります。こうやって方程式が2本得られ,一方文字はb,c,dの3つなので,(2)の要求にもこたえられるはず。ただ,解答では,C1とC2の共有点を求める方程式が2次方程式で,それが重解x=dをもつことから,式が平方完成できるはず→そこからxの恒等式が得られる→係数比較,という方法をとっています。2次方程式であれば判別式等,より初等的な道具が多々使える…ということで,なるべく使うものを低学年段階におさめていますね。
ここまでくれば,C1とC2を図示することができ,S,Tがどこの面積なのかも目に見えてくるので,積分の計算をていねいに正確に行うのみです。最後の(5)の等式は,答えのcの値がシンプルなものになるようとって付けた感がありますが,それでも8と15という値もがそこそこシンプルなので,ある意味うまくできた問題なのかもしれませんね。

広島大学2023年前期文系第4問_b0418931_02041991.jpg

ここで広島大前期が終了です。実は後期があるのですが,素直に後期をやるか,一旦別大学にいくか・・・?

# by mathmathmass373 | 2023-05-31 10:15 | 大学入試数学 | Trackback | Comments(0)

おはようございます。Tです。

そろそろ5月が終わりそうですが,前々からの予感通り,今年は急激に暑くなっていくような気がします。一気に夏が訪れると思われ,注意したいものです。

さて,広島大学ですが,昨日までで,理系の全問題,それに伴い文系の一部の問題をクリアしたので,今日からは文系の残りの問題をやっていきます。文系第2問は,数列の和やら漸化式やらが盛り込まれた問題です。

広島大学2023年前期文系第2問_b0418931_01414911.jpg

(1)はaとdの連立方程式を作って解く。それによって等差数列{an}の一般項が分かるので,和の公式を使えば(2)もあっさり。(3)では,そのSnに対して和の計算を行い,Unを定義する式に諸々の情報を流し込みます。
この(3)において,解答ではせっかくなので少し普段と異なる方法をとっています。まず,Tnを求める部分は,素直に∑計算…ではなく,連続整数の積の和を求めるために,巧妙な式変形をして,(部分分数分解をするアレと同様に)真ん中の項が全て消えるように仕向けています。その後のUnの最小については,「あるところから先でUnは増加」→「その手前の部分でのUnの値をすべて調べる」ということをやってみました。特に後者について,微分法を用いるなどもっとスマートに見える方法があるのでは?と思われますが,実は解答のようにやると(4)の助けにもなる,というオマケが付いてきます。
最後の(4)は,定積分の計算をとって付けた感がある,オマケの問題です。せっかくなので,1問で色々聞きたかったのでしょうかね…?

広島大学2023年前期文系第2問_b0418931_01414851.jpg

…ここで無理に積分を入れなくても,明日のラスト1問は積分の問題だったりします…。

# by mathmathmass373 | 2023-05-30 08:38 | 大学入試数学 | Trackback | Comments(0)

こんにちは。Tです。
広島大学理系のラスト1問は、これまた数Ⅲの,微分積分の詰め合わせな問題。

広島大学2023年理系第5問_b0418931_02470252.jpg

(1)は素直に微分して増減を調べてグラフをかく問題です。y切片はともかく,x切片をどこまで詳しく調べるかはケースバイケース。本問では,(結果として)x切片の値がシンプルかつ容易に求められること,そして後の問で使用することから,この段階でしっかり調べておきます。
(2)は,方程式の実数解の個数をグラフと直線の共有点の個数にすりかえて考える,定番の流れ。正直なところ,(1)なしで(2)から入る(つまりグラフをかく手順は自分で思いついて実行する)ぐらいでも良かったと思います。
(3)で一旦話が逸れて,単に定積分を計算する問題。まず割り算で次数を下げて,残骸として残った部分はtanの置き換えというこれまた定番。
そして,(4)が本番です。g(s)が,(1)で作った図でいうとどの部分を表しているのか,そしてそれを指示されたように積分するのは,図のどの部分の面積に対応しているのか…というのが,この問題の核だと思います。そういう意味では,(1)がなくともグラフを用いた説明をここで組み立てる必要がある…というぐらいが,難易度としてもちょうど良いのでは?という気がします。そういう意味では,今年のセットは随所に道しるべが立てられている,受験生に優しいセットだったと言えますね。(とは言っても,第1問はミスリードを誘う道しるべだったわけで,手放しで喜べるわけではありませんが…)

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さて,理系はここまで。
一方,文系が全4問で,第1・3問は理系と(ほぼ)共通で片づけ済なので,明日以降,文系の残り2問をやっつけにいこうと思います。

# by mathmathmass373 | 2023-05-29 10:45 | 大学入試数学 | Trackback | Comments(0)

こんにちは。Tです。
ちょうど1週間前,日本の広島を中心に世界中が盛り上がり,燃え上がっていましたね。現地に住む知人からもその様子は聞き及んでいましたが…その熱が冷めてしまうようなことはないようにしたい,してもらいたいものです。

…政治的な話はここまでにして,その広島の理系第4問にいきましょう。ここからいよいよ数Ⅲ。数列の極限の問題です。

広島大学2023年前期理系第4問_b0418931_02295878.jpg
(1)は,a1,a2の値と置き換えの式から計算するという,いわばウォーミングアップ。
(2)から本番で,まずは漸化式を変形し,「log2」を付けて都合が良いよう下ごしらえしてから。
(3)で話が変わって,提示された極限を調べますが,普通に部分和が求められるわけがない…こともないのですが,それが何かの解決にはならないので,区分求積かはさみうちの2択。区分求積にもっていくのも無理があるのと,「必要ならば…」の式につなげることを考え,はさみうちで片づけます。
(4)で再び(2)の続編に話が戻ります。(2)の結果から{an}の一般項が求められるので,指示された和の式をいじっていくと…(3)の結果が利用できそうな(というより,利用しなさいと言っているような)パーツが出てくるので,あふれた部分をうまく抑え込みます。ここで,指数関数の増大度が多項式よりも段違いだということを二項定理を利用して証明する,というのがノーヒントでやらなければならない状況になりますが,このレベルの大学を受験するなら当然おさえている内容だと思います。緩やかな出だしで始まったこのセットですが,ここにきて結構硬派な感じになってきました。

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理系セットはあと1問。週末では収まらず,週明けにはみ出すことになりました…。

# by mathmathmass373 | 2023-05-28 11:24 | 大学入試数学 | Trackback | Comments(0)