人気ブログランキング | 話題のタグを見る

広島大学2023年前期理系第1問・文系第1問

こんにちは。Tです。

広島…というと,タイムリーな時期は過ぎてしまいましたが,今日からは広島大学です。
前期は理系が5問,文系が4問ですが,合わせて9日間…とはなりません。実際,この第1問が早速文系理系共通問題です。確率の,よく見る(?)問題です。

広島大学2023年前期理系第1問・文系第1問_b0418931_10210358.jpg

「1からNまで」と文字で出題されるととたんに難しく感じる…という人は多いように思います。一方,具体的な数値でないから掛け算や約分のミスのおそれが減って嬉しい…という人もいるかと思います。感じ方は人それぞれですが,この問題の本質は,「さいころを繰り返し投げ,出る目の種類が1種類,2種類,…の確率は?」という問題と同等である,という見方をしたいですね。目の種類が6種類からN種類となっているだけです。

(1)は,目が1種類,(2)は4種類となる確率。4つの異なる目の出方なのでPを用いるのですが,初学者は,模範解答で唐突にPが現れて戸惑うことが多いようです。
(3)は,「X,Y,Z,Wのうちどの一つが異なるか」→「その一つの番号はどれか」→「残り三つの番号はどれか」の順に考える,定番の流れ。じゃんけんで「勝者が◯◯人である確率は?」という問いでよく見られる考え方です。
(4)は,2つの考え方があります。一つは,(1)(2)(3)ときて,番号が三種類でない場合で残っているのが2個・2個の場合だけなので,その確率を求めて余事象,というもの。もう一つは,番号が三種類となるのは2個・1個・1個となる場合のみで,これを直接求めるというもの。これを”別解”としていますが,個人的にはこちらが本筋で,(1)~(3)の流れにしたがうのは,どこかでミスがあるとそれに引きずられるので若干危険な気がします。出題者はこちらにおびきよせているような気もしますが,理想なのは,両方の方法で求め,結果が一致するかを見る(もし一致しない場合,(1)~(3)のどこかでミスをしている可能性も見いだせる)ことでしょうね。


広島大学2023年前期理系第1問・文系第1問_b0418931_10210411.jpg

今月いっぱいは,広島大になる予定です。

by mathmathmass373 | 2023-05-25 10:42 | 大学入試数学 | Trackback | Comments(0)